質問18 十二運は使用しないのですか?
四柱推命には、五行とか十干の通年の質的な変化を表わすものに、十二運と旺相死囚休があります。 このいずれか、もしくは両方を用いて日干(にっかん)の強弱を知るための、よりどころにしています。
前者のほうが一般によく知られていて、日本のほとんどすべての四柱推命の専門家が採用しています。 後者を採用する人は少数派です。
この十二運と旺相死囚休は、その基本的な考えが異なるため同時に採用できない関係にあります。両方を同時に採用すると論理的に矛盾が発生します。
では十二運が、実証的に正当性があるか、というと、どうも疑問なのです。 十二運というのは、十二支を巡る間、十干がどのような変遷をたどるかを示すものです。ですから四季を順次めぐる木火金水においては、そこそこの理はあります。
しかし、土については多くの書に、「中央にあって四維(辰戌未丑)に散ずる」といわれいます。土は四季の巡りの基底にあって、四季の替わり目に作用を現わすもので、基本的に不動と考えられているものなのです。このもともと巡ることがないものを十二運は無理矢理巡らせているのです。
ですから 十二運で五行・十干すべてを論じることはできないはずなのですが、そうした疑問をいだくことなく皆さん使っているようです。
詳細な説明を省いているのでわかりにくいかも知れませんが、ともかく十二運はすべての四柱八字を見る視点としては適切ではないのです。
しかし、旺相死囚休であれば、五行すべて同じように見ることができます。
ではなぜ十二運を採用する人が多く、旺相死囚休を採用する人が少ないかですが、十二運は十二支との関連で定義されていますので、事象に結びつけやすい点があるからではないかと思われます。つまり、四柱八字にある支が十二運の何に該当するかだけで、事象を言うことができるようになっているからです。中には、この十二運だけを頼りにしている専門家もいますが、これは論外です。
私は、十二運は一切使いません。旺相死囚休のみ採用しています。十二運は不要と考えています。そのほうが論理的にすっきりしますし、実証的にも正当性があるものと確信しています。
余談ですが、十二運を、天中殺とか大殺界、あるいは空亡と結びつけて利用している人もいます。十二運を捨て去れば、こうした、どうしようもないものもいっしょに捨て去ることができます。一石二鳥の効用があるものです。 |