日本人のごく一般的な感覚からすれば、四柱推命をはじめとして、占い・運命学のたぐいは科学的なものとはまったく無縁のものと考えられていると思います。しかし少数派ではありますが、「運命学の帝王」とさえいわれる四柱推命の専門家であるなら、ほかの雑多な占いとは異なり、人の将来のことについて何もかもお見通しであろうと思われているふしもあります。 そのため、日本で四柱推命の専門家と自称する方々も、「百発百中」「すべてお見通し」「的中率100%」などということを売り文句にするため、四柱推命に対するイメージが形成されているのではないかと思います。 確かに、四柱推命だけでなく、運命学といわれるもののすべての世界で、あたかも神のように将来を見透す手だてはないものかと、古来より研究が続けられてきたのは事実です。 しかし、誕生日から将来を何もかも見通すことが本当に可能なのか。アインシュタインをはじめ、物理学者の研究成果と明らかに矛盾するが、それとは異次元のところに四柱推命は存在しているのか。四柱推命に携わっていながら、そうした疑問がとめどもなく沸いてくるのです。 確かに 四柱推命でいろいろなことがわかりますが、私のたどり着いた結論は、万能であるということは、どう考えてもあきらめなくてはならない……限界はある……、しかし、どのようにして、また何を根拠にしてあきらめるかが問題となったのです。 なぜかというと、四柱推命に関する現存する『滴天髄(Tekitenzui』『子平眞詮(ShiheiSinsen)』のようなすぐれた古書は、中国の大臣クラスの人、あるいは高級官僚など、いろいろな意味で優秀であったであろう思われる人によって執筆されています。四柱推命には千年ほどの歴史があります。時代的背景からして、そのような高い地位にある人しか、読み書きができなかったという面もあるかも知れませんが、千年、数百年もの間、延々と伝承されてきたのは、それなりの内容が伴っていたからであると考えられます。 そして、 それらの書の内容には、まったくいかがわしいところはなく、理論的であり、文章もすぐれたものばかりです。こうした先賢の研究成果はないがしろにはできない。そのうえで、四柱推命の万能性をあきらめるための根拠を見つけなくてはならないことになったのです。 こうした考えの末、たどり着いた結論が「偶然と必然」という観点なのです。この「偶然と必然」という観点は、四柱推命学の根本理論である陰陽五行論の根底に流れる「弁証法」に基づいているため、四柱推命学と高い親和性があります。 |
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★紙の本/「基礎から最高峰を目指す 四柱推命の本」 準拠。『干支一二〇年暦』1918年
<大正7>~2037年<平成49>
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