五常「仁義礼智信」の新解釈五行には五常が割り振られています。五常とは、仁・義・礼・智・信(Jin・Gi・Rei・Chi・Shin)です。五行と五常の関係をまとめると次のようになります。 木-仁 (情け深く、思いやりの心を持つこと) 火-礼 (社会生活上の定まった形式、制度・儀式・作法等のこと) 土-信 (嘘を言わない、人を疑わない) 金-義 (人としての正しい道、道理にかなったこと) 水-智 (物事をよく知り、わきまえていること) 五常の意味するところは儒教(Jukyo)に由来します(上の括弧中の解説は儒教における意味です)。儒教における五常の意味は、「人が常に守るべき五つの徳目」ということになっています。「徳目」とは、道徳の項目のことです。 そして、五行の「火(ka)」には「礼」が対応していることから、既存の四柱推命では、火があるだけで、礼儀正しいなどと断定していました。 そもそも五常などという概念を、そのまま四柱推命に導入することは不可能です。なぜなら、礼にしろ義にしろ、社会生活を営む過程の中で身につけるものだからです。四柱推命で知ることができるのは、生来備わった資質でなければなりません。 では四柱推命において、五常はまったく無意味な視点かといいますと、そうではなかったのです。五常それぞれの意味するところの本質的な作用を抽出すると、無意味どころが大変重要な視点となるのです。これからが独自の視点となるのです。 火の五常は礼といわれていますが、その本質的な作用は、「演繹的(Enekiteki)なものの考え方」に関わるのです。演繹とは論理学の用語なので理解できない方も多いかも知れないので、砕いて説明します。 いろいろな決まりや法則を、その場その場の状況に合わせて応用する際に必要なものの考え方です。ですから、家庭や学校で身につけた社会的な決まりに従い、状況に応じて礼をつくすことに関わることになります。あるいは、物理学の法則を現実の現象に応用し、理解することにも役立つことにもなります。場合によっては、宗教の教義を行動に反映させるようなことにも関わることになります。 以上のようなことから、火の五常の作用は、理系の適性を形成するひとつの要因となります。事実、理工系の学校の出身者を多く見ると、四柱八字中に火があるという共通性に気がつきます。しかし、この共通性に気がついただけで終わり、IT関係は火に関わるとか、理系は火に関わるなどと結論を出してしまいますと、四柱推命は単なる統計でしかないということになってしまいます。 例えば、100人中70人、火があることが理系的な能力につながっていることを確認しても、残りの30人がどうして該当しないのかを説明できなければ、それは統計でしかないのです。火の作用を「演繹的思考」と理解して、初めて四柱推命を統計ではない形で理解できるのです。 さて、火に剋(koku)される金は、火と逆に「帰納的な物の考え方」に関わります。五常で火は礼、金は義ですが、「礼」と「義」には相対する意味合いはまったくありません。しかし、火を演繹的、金を帰納的と、その作用の本質を理解することにより、火と金の剋の関係が、五常の作用にも反映されることになるのです。 五行の剋の関係が五常にも反映している。このように五常を理解するなら、五常という視点は、四柱推命において重要な視点となるのです。 さらに言うなら、こうした五常に対する理解は必須の問題で、このような見識を持ち合わせることなく、四柱推命で事象を看ることはまったく不可能である、と断言できるほど重要な視点と考えています。 実証的にも、 四柱八字中に火と金が多く見られる人は、ものの考え方が論理的であったり、筋道を立てて物事を考えるタイプの人であったり、数字に強かったりすることを確認でき、この視点の正しさを簡単に証明することができるのです。 なお、ここでは火と金にしか触れませんでしたが、そのほかの五常の本質的な作用も、すべて解明し、拙著中でわかりやすく解説してあります。 また、ちまたでは、血液型占いが盛況です。血液型がわかると性格がわかるとされています。推命では、四柱八字から血液型をほぼ推察できます。そして、例えば血液型Aとしても、五常の観点と「旺の逆転」という方法により、正反対とも言える性情・気質があることが明らかになりつつあります。その詳しい点については、現時点では講義でのみ解説しています。いずれ活字にします。 |
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<大正7>~2037年<平成49>
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