偏財と正財の定義と作用の再考四柱推命には、正財と偏財があります。その古来よりの定義は、 拙著では、正財と偏財という用語を使用すると、日干が陽干であるのか陰干であるのかが無視されるため、事象を見る際に悪影響があると考え、正財と偏財をを分けることなく、一括して財として扱うことを推奨しました。 しかし、昨年の後半に東京で毎月開催している研究会で、正財と偏財で事象が異なる問題が提起され、年を越え、2013年になり、今までになかった正財と偏財の見方についての概念が概略まとまることになりました。 結論から言いますと、偏財においては、既存の考え方で何も問題はありません。問題が確認されたのは、日干と財との陰陽が異なる正財です。 日干甲乙木を例として掲げます。 己 甲 戊 乙 上記の例は、時干に正財がある場合としていますが、月干にあっても、日支の蔵干にあっても同様です。 日干甲木の場合、日干は陽干ですから、陰干の財の己土は太刀打ちできません。なお、甲己を干合とする看方もありますが、干合は不要として採用しません。 日干が乙木の場合、日干は陰干ですから陽干の戊土を剋し、弱めることは不能です。これは名著『滴天髄』にも間接的ですが論じられています。 こうした日干と財の関係から、正財においては、日干の陰陽の違いにより、事象の現われ方に、当然のように違いが発生するのです。 偏財の場合は、日干と財の陰陽が同じであるため、剋す作用の相違がないため、発生する事象は共通となり、たとえば、「目標を掲げ、それに向かって努力する」ような良好な性情面につながります。具体的に言うなら、車が欲しい、一戸建ての家が欲しい、希望の大学に合格したい、といった目標を掲げて努力するのです。そして重要なことは、その目標は、客観的に見ても実現性が、ある程度見込める範囲で収まるのです。これが偏財の事象の現われ方です。 一方、正財の場合ですが、日干が甲木の場合、相手の財は陰干ですからそれほど実現が困難な目標ではないことになります。一歩、一歩目の前の小さな目標にたどり着き、先に進んでいくイメージとなります。 そして、日干が乙木で正財と隣接した場合は、とてつもなく大きな目標を掲げることになります。端から見ると、実現は到底不可能であるということもままあることになります。 この場合、そのとてつもない目標を実現したなら、大成功を収めることになるのですが、失敗したなら、「あのほら吹きが」ということになるという両面があります。 そこで大成功を収めた人の四柱八字を見てみると、日干が陰干で正財と隣接しているのです。つまり、日干が陰干で正財が隣接するなら、大物の風格を身につける場合もあるのです。 しかし、大多数は大言壮語で終わってしまい、ほら吹き、理想主義者、はては大嘘つきと評価されることになるのです。 まとめますと、偏財は日干の陰陽に関わらす同じですが、正財は日干の陰陽の違いにより、事象が大きく異なるのです。 さて、賢明な読者は、正官と偏官においても同様な現象が起きるのではないかと気づいていられると思います。確かにその通りなのです。 |
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<大正7>~2037年<平成49>
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