五行と通変の事象以外は無意味四柱推命の本にある事象の見方をまとめると、おおよそ次のようになります。事象とは、四柱推命で知ることができる具体的な事柄の意味です。◇五行による事象 ◇通変(変通星、生剋名ともいう)による事象 ◇格局によるもの ◇十二運(生旺墓絶ともいう)による事象 ◇十二支による事象 ◇日干(nikkan)の干の意味合いだけによる事象 ◇神殺(天徳貴人とか空亡、駅馬のたぐい)による事象 ◇月支の蔵干の通変による事象(これは月支元命説ともいわれる) 百歩譲ってこうした事象の見方をすべて正しいものと認めると、性格の見方や適職の見方が、上記の複数の視点にあり、その内容に論理的整合性がないどころか、支離滅裂になっていることが救いがたい問題なのです。 例えば、十二支に性格の記述があり、十二運にも同じ項目があり、日干にも同じ項目があり、さらに神殺にも……そして、そのいわれていることが、まるで正反対の内容であったりするため、これらを統合して、ひとつの確実な事象に結論づけることなどまったく不可能で、手の施しようがないのです。 こうした日本に流通している本に述べられている事象の見方は、ごく普通の論理的な理解力を備えている方なら、そのどうしようもない誤りにすぐに気がつくはずです。 この事象の見方に関わる四柱推命における致命的な問題について、その解決の方策は本場中国の古書中にも明確な論議を見ることができません。そもそも上記の視点は、そのほとんどが日本独自のものであるため、本場の書にその解答があるはずはないのです。 この問題をどのように整理すればよいかが一大問題なのです。 神殺とか十二運などによって事象をみることなどできるわけはないので、これらは論外として除外します。日干と十二支を性格を見る重要な視点にしている専門家がかなりの割合でいますが、実証的に誤りであると言えます。 このような日本の四柱推命の現状の中、四柱推命の根底に流れる陰陽五行論の原点に立ち帰り、四柱推命学の成り立ちからして、ある意味当然の考え方とも言えるのですが、 「五行と通変のみが事象を看る2大視点」 という独自の結論に達しました。 さらに、理を追いつめると、五行で知ることのできる事象と、通変で知ることができる事象は、それぞれ固有で、両者の示す事象に一切の共通項はないと考えるのが、その最終的な結論となるのです。この点については拙著でも述べていますし、講義でも再三指摘しているところです。 このように考え、その理論的背景を整えることにより、整然とした形で四柱推命により事象を論じ、また的確な事象にたどり着くことができる方法論を構築できることになったのです。 |
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<大正7>~2037年<平成49>
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