質問5 名前の画数に吉凶はありますか?
姓名の画数について吉凶を論じる方法には二通りの方法があります。その一つは、数自体にあらかじめ吉凶を定めている方法です。この方法が最もポピュラーで、テレビなどのマスコミで取り上げられることが多く、姓名判断を操る御大が、まるでタレントのようにブラウン管の中で愛嬌を振りまいています。もう一つは、十干それぞれの象意に数が含まれていることを利用して、五行の吉凶と数の吉凶を連関させたものです。甲が1、乙が2、丙が3、………といった感じです。
しかし、いずれの方法においても共通する重要な問題があります。それは画数の数え方が、人により異なっていることです。漢字の場合、清代に編纂された『康煕字典』に掲載されている画数に準拠するというものと、現代の漢和辞典に掲載されているものに準拠するというものがあります。平仮名の場合は、例えば、「は」は3画のようですが、姓名判断では4画となっているのです。それは、大正時代に姓名判断を創始した人が決めたものに準拠しています。しかし、いずれも恣意的なものを感じてしまいます。
私は画数は視覚的に評価すべきではないかと思っています。例えば、「日」という字の画数は4画ですが、5本の直線で構成されていますので、5画とすべきではないかと思うのです。
角田忠信博士の著書『続日本人の脳』によると、図形の視覚的刺激によって、無意識の内に数が認識されているというのです。同書によれば、40個、60個、あるいは80個の点がばらまかれた図を見ると、脳が他の数の場合とは異なる反応を示すというのです。ですから、角田博士の研究の成果を元に、姓名判断を根本から考え直すべきではないかと、私は思うのです。 |