以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、あえて、こうした形で情報を発信することにしました。
諸説入り乱れる五官と五行の関連
古来より、五行と五官(目・耳・鼻・舌・皮膚)の関連についての記述は数多く存在しますが、その関連は、書によりかなり異なり、錯綜しています。
隋の時代の書である『五行大義』を見ますと、『甲乙経』からの引用として、次のようにいわれています。
「鼻は肺の器官であり、目は肝の器官であり、口唇は脾の器官であり、舌は心の器官であり、耳は腎の器官である。」
また、道家の『太平経』からの引用では、次のようにいわれています。
「肝の神がいなければ、目に光明がない。心の神がいなければ、唇は青白くなる。肺の神がいなければ、鼻は通じない。腎の神がいなければ、耳が聞こえない。脾の神がいなければ、舌は甘味を感じることができない。」
とあり、『甲乙経』と微妙に異なっています。ほかにも引用がありますが、諸説が入り乱れている感じです(参考文献は、『五行大義全釈』上巻・中村璋八・藤井友子 明治書院)。
現在、実証的には、木は「視覚」、火は「味覚」、土は「嗅覚」、水は「聴覚」で間違いないと考えています。金については、「色彩感覚」が関連していると見ています。
また、木は視覚と述べましたが、いわゆる視力は水も関連しているようです。木の作用は、視力ではなく、眼球の大きさに関わっているのではないかと考えています。
いずれにしましても、四柱八字中の五行により、その人の五官の機能の状態を推察することができるのです。
五行と五官の実証的な解説
次に五行を順番に取り上げ、五官との関わりを説明していきます。
木「視覚」…既述のように健診で測られる視力は、木ではなく水の作用でないかと考えています。自身、この歳になっても、視力1.0で老眼にも無縁であるのは、四柱八字と大運を統観して、水と木の働きに問題がないからではないかと思っています。
火「味覚」…味覚はなかなか人と比較ができない感覚です。味覚が鋭いのか鈍いのかは、なかなかわかりません。一般論として言えば、味が濃くないと美味しいと感じることができない人は、味覚音痴で、五行の火の作用に問題があるとは考えられます。
土「嗅覚」…土は胃に関わりますが、胃がんなどの手術で胃を摘出しますと嗅覚が失われるという話はよく耳にします。
金「色彩感覚」…世の中にはとてつもなく正確に色を識別する人がいます。そうした人に巡り会ったことがありますので、この視点は間違いないと思います。色彩感覚が良好であると、着る物の色のセンスにも影響することでしょう。なお、もともと色彩感覚が備わっている人であっても、20歳代前後までに、美術品を鑑賞するような環境に身を置く機会がありませんと、平凡に終わるように思います。30歳を過ぎてからでは手遅れです。
水「音感」…聴覚が活かされるのは音楽業界ですが、絶対音感があるようなレベルになりますと、水が強いのではなく、水が弱すぎることが問題である実例をいくつか見ています。また音楽の要素にはリズムがありますが、これはどうも水ではないようなのです。チューバやホルンのようなの木管楽器の演奏者が、「自分はリズムを担当している」と言っていましたが、その人の四柱八字には水はなく、土が多くあったことから、こうした見解をとっています。
なお、以上の五官が人並み以上に優れていても、そく職業に結びつくとは限りません。例えば、絶対音感があれば、音楽家として成功することが約束されるわけではないからです。
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