以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、あえて、こうした形で情報を発信することにしました。
喜神、忌神、閑神の看法は大成功の部類と言えるが
四柱八字を出し、日干の強弱を見極め、その後、四柱八字のあり方を考慮しつつ用神が定められます。用神とは、その四柱八字に五行の調和をもたらすために、最も有効であると考えられる干のことです。そして同時に、喜神、忌神、閑神も定まります。閑神とは、喜とも忌とも定めがたい五行のことです。用神、喜神、忌神、閑神は、事象のよしあしを判断する唯一の基準となり、最も重要な視点になっています。
この事象のよしあしを判断は、四柱八字のみではなく、大運や流年にも適応されることになります。
この方法は、かなりうまく機能していると思います。古来より論じられている論義の中で、大成功の部類に入る看法と言えます。しかし、いくつか問題があります。それは、四柱八字のあり方、そして大運の巡りにより、日干の強弱が変化すると考えられる時に、矛盾が発生するのです。
用神は一生不変とされています。喜神、忌神、閑神については、そうした縛りがないので、大運により喜神、忌神、閑神が変化することは容認されています。しかし、これは、ダブルスタンダードのようなもので論理的に奇妙なのです。
現実に、日干弱であった四柱八字が大運により強に転じるとみなければならないことがあります。すると喜神、忌神は逆転するはずです。
この点について、東京講義の卒業生からなる月一の研究会で、再三質問を受けていた経緯があります。質問の内容はだいたい次のようです。
「もともと日干が弱いのなら、日干が強められる大運を吉とするのは理解できるが、強められることにより日干が強に転じると見るのであるなら、その大運は吉なのか凶なのか不明になるのではないか」
仰る通りなのですが、とりあえず、既存の考え方の延長で、今まで回答をしてきました。
今ここで、この問題を抜本的に解決することができ、矛盾や不都合を一掃できる考え方を公開します。
日干の強弱を判断する二つの視点を用意
この問題を解決するには、日干の強弱を判断する視点を二つに分ければいいのです。
○その一つは、今まで通り、四柱八字のみを見て、日干の強弱を判別する視点です。
○もう一つは、四柱八字と大運を重ね合わせて見て、日干の強弱を判別する視点です。
後者の視点が加わることにより、問題がすべて解決するのです。
そして、四柱八字のみを見て定めた日干の強弱と、四柱八字と大運を重ね合わせて見て定めた日干の強弱は、まったく独立した存在です。前者は、生まれながらの資質、病源を見る視点となり、後者は、大運における流年の事象のよしあしを判断する視点となります。
なお、日干の強弱を判断する視点を二つに分けましたが、日干の強弱が大運によって変化する四柱八字は、ごく一部ですので、両者の結論はほとんどの場合、一致します。
当コラム「喜忌や吉凶、用神を断じることの弊害」で述べましたように、自著では用神は採用していませんが、以上の視点は、用神信奉者にも少なからず影響がある論義ではないかと思います。
詳しくは、『サクサクわかる 四柱推命の本』を参照してください。
★無料アプリ/PC、スマホ、タブレットで四柱八字を自動計算表示
★紙の本/★まずこの本から★『基礎から最高峰を目指す 四柱推命の本』
※大阪・心斎橋「中尾書店」、東京・神保町「原書房」、板橋十条「鴨書店」にて入手可能
★紙の本/中国古典の名著『滴天髓 通神論』
※大阪・心斎橋「中尾書店」、東京・神保町「原書房」、板橋十条「鴨書店」にて入手可能
★紙の本/人事・採用にすぐ役立つ 「四柱推命の活用法」
※大阪・心斎橋「中尾書店」、東京・神保町「原書房」、板橋十条「鴨書店」にて入手可能
★紙の本/「基礎から最高峰を目指す 四柱推命の本」 準拠。『干支一二〇年暦』1918年
<大正7>~2037年<平成49>
※大阪・心斎橋「中尾書店」、東京・神保町「原書房」、板橋十条「鴨書店」にて入手可能
since 2014・7・10