以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、あえて、こうした形で情報を発信することにしました。
推命における「才能」の定義
才能と言いましても、この言葉には、漠然とした意味しかありませんので、再定義する必要があると思います。
推命で考える才能とは、「余人をもって代えがたい」と評価されるような新規性が伴うことと定義すべきと考えます。新規性とは、過去に同じようなものが存在しなかった、とか、その人ならではの独創性が存在するという意味です。
才能があるに越したことはないのですが、世の中は才能がなくても問題なく生きていけます。知識や技術を身につけて、資格を取り、職業に結びつけることができれば、ここで定義したような才能がなくともかまわないのです。
しかし、特にクリエーター・芸術家の場合は、才能があることが必須となりますし、会社の経営者でも、会社を一代で大企業にまで育て上げるには、才能が必要です。経営者ではなくとも、有能な社員として活躍するにも才能が求められることになります。
この才能は、どうも「通変の調和」の成不成に左右されていると考えられるのです。そして「通変の調和」は大運により変遷しますので、才能が発揮される時期と不発の時期が現われます。
才能発揮の一例「ボブ・ディラン」
次は、若い人はご存じないかも知れませんが、ベトナム戦争の頃、時代の代弁者として反戦歌で一世を風靡したボブ・ディランの命運です。一番有名な曲は「風に吹かれて」ではないかと思います。
生年月日/1941年5月24日21時05分 性別/男 年齢/73歳
大運交替/約5歳10カ月5日 交替年月/丁年卯月
辛 巳(丙)壬 大運
癸 巳(丙)壬 06歳 壬辰(戊)(乙)
壬 申(庚) 16歳 辛卯(乙)(甲)
庚 戌(戊) 26歳 庚寅(甲)
36歳 己丑
46歳 戊子
56歳 丁亥
66歳 丙戌
76歳 乙酉
86歳 甲申
※大運の太字は「通変の調和」成立
ベトナム戦争は、1960年12月から1975年4月30日まで続きました。ボブディランは、その最中の1962年デビュー。1963年5月、セカンド・アルバム『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』を出し、その中の「風に吹かれて」を、当時人気絶頂であったピーター・ポール&マリーがカバーしたことで、一躍その名を知られるようになりました。ディラン22歳の時です。その後、1975年には、ワールドツアーを行なうほどの絶頂期が訪れました。
さて、推命の話に戻りますが、上記の四柱八字の場合、大運に甲乙木が巡った時のみ、「通変の調和」が成立します。大運で言いますと、16歳 辛卯から26歳 庚寅となり、ディランの全盛期に一致します。
この大運期にディランは才能を発揮し、それが認められる環境にあったのです。36歳以降には「通変の調和」は成立しませんが、いったん作り上げたディランの社会的評価は低下することなく、現在に至るまで活躍しているのです。
音楽の世界ですから、一時期に大成功を収めますと、印税等の収入が保障されるため、長く活躍できることになるのです。
なお、会社経営者であっても、こうした「通変の調和」による才能の発揮が会社の発展に寄与することになりますし、才能を発揮する社員を雇用するなら、さらに発展は加速することになるのでしょう。
ただ、才能のある経営者は、なにもアドバイスを受けなくとも、才能のある社員を見抜く傾向があるようです。
詳しくは、『サクサクわかる 四柱推命の本』を参照してください。
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<大正7>~2037年<平成49>
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