四柱推命「学」のホントのところ

従来の四柱推命にはなかった新視点の解説!「四柱推命コラム」

これぞ善人が、不幸になることもある理由

以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、あえて、こうした形で情報を発信することにしました。

30年以上昔に耳にした話

もう30年以上前の話なのですが、私の四柱推命の師匠が、次のような質問を受けたという話を聞いたことがあります。

「どうしていい人が、必ず幸せになれないのか」

この質問をした人は、仏教系の某新興宗教の信徒だったようですから、「善行を積めば、おのずと幸せに導かれる」という考えにもとづいた話だったのでしょう。

「幸せとは何か」について論じるのは、このコラムでは荷が重いので、ここでは「いい人」「人当たりのいい人」と他人から評価されることが多いのは、どのような四柱八字の人であるかを見てゆき、その行動パターンが、現代の日本の社会において、幸せにたどり着くことができる要素を伴っているかを考えてみようと思います。

日干に隣接する通変の視点

『サクサクわかる 四柱推命の本』をご購読された方は、以下の説明はすでにご理解いただけていると思いますから、まだ、読まれていない方のために、その要点をかいつまんで説明いたします。重要な視点は、日干に隣接する通変です。それは大きく二つのパターン分けることができます。

(一)日干に印と食傷が隣接する

(二)日干に財と官殺が隣接する

(一)に該当する人は、個性的です。言い方を換えれば、くせ者です。また、マイペースで協調性に欠けています。(二)に該当する人は、人当たりがよく、いわゆる「いい人」です。協調性もあり、団体行動に向いています。

なお、(一)(二)は典型例で、印と食傷と財と官殺が入り交じる場合、食傷ばかり、印ばかりの場合といった変化があります。この組み合わせには125通りあり、これに日干と通変の陰陽の違いが加わりますから、日干に隣接する通変だけで、500通りの相違があることになります。

それはさておき、(二)に該当する人は、善人かどうかはわかりませんが、おおよそ「いい人」と人から評価されます。

人当たりがいいことの本質的な意味

「人当たりがいい」とは、どういうことでしょうか。本心は表に出すことなく、万人に対して笑顔を振りまき、好意的な感じで人と接し、人間関係を上手に作り上げる人なのでしょう。

こうした人物が、現在の日本の社会の中で、のし上がっていけるかどうかです。「のし上がる」という言葉からわかりますように、敵を蹴落とす必要があります。新しいことを成し遂げようとしますと、常に守旧勢力が目の前に立ちはだかります。

また、「人当たりがいい」が度を過ぎますと、優柔不断ともなり、存在感が薄れ、社会の中に埋もれる恐れも伴います。そうした行動の積み重ねの結果、責任ある地位から転落することになり、幸福とは言えない環境に身を置くことにもなりかねないと言えます。

つまり、いい人であるだけでは、幸福になることはできないと考えるのが現実的な視点ではないかと思います。

いい人にはほど遠い、故スティーブ・ジョブス氏

話は変わりますが、故スティーブ・ジョブス氏は、日干に陽干の食傷が2点と陰干の財が1点、隣接しています。陽干の食傷が2点だけでも、強烈な個性の持ち主であると断定できます。そして決して「いい人」ではなかったのは、死後のさまざまな報道でご存じのことと思います。四柱八字を見ただけで、関わりたくないと思うようなレベルの人物です。

ただ、故スティーブ・ジョブス氏が悪人であったと言っているのではありません。スティーブ・ジョブス氏の逆鱗に触れ、解雇された人には悪人かもしれませんが、スティーブ・ジョブス氏のようなタイプの人物が現われないことには世の中は変わらないと思います。

「出る杭は叩け」が横行する社会からは、スティーブ・ジョブス氏のような天才的な人材は輩出しないでしょう。ちょっとテーマから話がずれましたが。


詳しくは、『サクサクわかる 四柱推命の本』を参照してください。

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