以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、あえて、こうした形で情報を発信することにしました。
二通りの不安感の状態
誰しも、得体の知れない不安感に襲われたことはあると思います。ここで取り上げるのは、厭世的になるほどではない、日常的な不安感の発生の仕組みを四柱推命の視点から紐解いてみることにします。
また、不安感に襲われる仕組みにはいろいろ考えられますが、ここでは日干を強と弱に分けて、二通りの状態にしぼり考えることにします。
日干がらみの話ですから、中心の視点は五行ではなく、通変になります。
日干が弱い場合
四柱八字と大運を統観して、日干が弱まっている場合から取り上げます。
日干が弱いのですから、食傷の洩には耐えられませんし、財を剋する力もありません。また、官殺に剋されたならたまったものではないのです。
特に、日干が弱であるところに食傷が巡ってきた場合、不安感に襲われるという事象が発生することになります。この不安感は、後で述べる日干強の場合と心理的な状態が異なります。
日干弱であり、食傷が流年などに巡ってきた場合の気持ちを箇条書きにしますと、次のようになります。
「現状の延長では将来がままならないという不安感」
「何か行動を起こさずにはいられない、焦燥感や衝動にかられる」
「変化のために試行錯誤を開始」
となります。この不安感は、マイナスの面ばかりではなく、現状を打破するといった行動に結びつき、プラスの事象に転じることがありますから、発展・成長のための前触れ的な面が備わっているとも言えます。
日干が強い場合
四柱八字と大運を統観して、日干が強い場合、食傷に洩らし、財を剋し、官殺に剋されれば望ましいのですが、とりあえず、有力な食傷があり、日干の強さを吸収してくれれば問題は起こりません。
ところが、流年に印が巡り、印が食傷を剋してしまうことがあります。この場合も、不安感に襲われることになります。
この不安感の内面的な状態を箇条書きにしますと、次のようになります。
「何をすればいいのか見えなくなり、壁にぶつかる」
「行動力が阻害された状態で、ただただ思い悩む」
「基本的に変化を前提とした思考が停止する」
となります。このような状態になりますと、問題は深刻で、時間が経てば経つほど深みにはまる恐れがあります。
うつ病が社会問題になっていますが、日干が強い場合のほうがウツ病の状態に近いように思えます。
四柱推命と精神医学の接点は
さて、以上、四柱推命の通変の視点から「不安感」について触れましたが、二通りの不安感の違いが発生する原因は、思考の方向性と言えます。外向きか内向きかということです。
四柱八字と大運、そして流年を見れば、その不安のありようをおおよそ理解できますが、精神医学の世界、心理学の世界では不安が醸成されるメカニズムについて、どのように考えているのでしょうか。門外漢のためまったく知識がありません。
詳しくは、『サクサクわかる 四柱推命の本』を参照してください。
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<大正7>~2037年<平成49>
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