以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、あえて、こうした形で情報を発信することにしました。
最も支持されている蔵干の構成
蔵干とは、十二支が内蔵する干のことです。たとえば、子支の場合、子(壬癸)となり、二つの干が蔵されているとされ、寅支では、寅(戊丙甲)の三干が蔵されていると考えられています。巷間に流布している「えと」しかご存じない方には、まったく別世界の話となることでしょう。
この蔵干の考え方には諸説はあるものの、次の清代の書『星平會海全書』にある蔵干が、おそらく9割は越えるであろうほどの支持を得ています。ちなみに『滴天髓』もこの蔵干を採用しているであろうと考えられます。
上図左下の「寅」のところをご覧ください。次のように記されています。
戊土 七日 二分 三
丙火 七日 二分 三
甲木 十六日 五分 四
この意味するところですが、寅月一カ月における各蔵干の占有日数が示されているのです。わかりやすく、分数を使って書き換えますと次のようになります。
戊土 7日 2/10日 3/100日
丙火 7日 2/10日 3/100日
甲木 16日 5/10日 4/100日
百分の一単位で、蔵干の占有日数が定義されているのです。
三合の否定、旺相死囚休の重視
さて、この蔵干の考え方については、さまざまな問題があります。上記の寅中の丙火は、三合・火局を根拠にしているため、私のように火局を採用しない立場からしますと不都合な存在なのです。蔵干に関する詳しい説明は、『サクサクわかる 四柱推命の本』を参照してください。
そして、蔵干がかかえ込んでいる雑多な論をお掃除した結果、寅(甲)、卯(甲乙)、辰(乙戊)となったのですが、その後、寅(甲)、卯(甲)、卯(乙)、辰(乙)、辰(戊)と改訂し、旺相死囚休の考え方と蔵干が完全に一致することになりました。
この改訂により、蔵干は常に1干しかないことになったのです。この考えに至ったのは、2007年頃でした。蔵干が1干になったため、日干に隣接する干は、月干、時干、日の蔵干の3干となり、四柱八字は、かなりスッキリしたものになりました。
その後、この最重要と言える日干に隣接する3干に注目し続けた結果、「通変の調和」の概念にたどり着くことができたのです。
「通変の調和」の概念は、蔵干の整理整頓がきっかけで生まれたとも言えるのです。
詳しくは、『サクサクわかる 四柱推命の本』を参照してください。
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<大正7>~2037年<平成49>
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