以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、あえて、こうした形で情報を発信することにしました。
当たる場合がないこともないが、当たらない場合もある
日本では30年近く前からABO式の血液型による性格占いが流行しています。血液型の相違は赤血球上の糖鎖という物質の違いで、この分子レベルの身体的な相違が性格というマクロな事象に影響することなど、あるはずはないと否定的にとらえていました。血液型による性格占いには科学的に根拠がないことについて事あるごとに取りざたされつつ、いまだに多くの日本人が、信憑性があるのではないかと考えています。
2014年7月19日の報道では、九州大の縄田健悟講師が1万人以上を調査し、血液型と性格は無関係であるという研究成果を発表したようです。
さて、かなり前から推命での相談を受けているのですが、その際、生年月日時をうかがうと、聞きもしないのに血液型を申告する人が多くいて、いつの間にか四柱八字と血液型を関連づけたデータベースが頭の中にできあがってしまいました。
そうした過程を経て、全面否定していた血液型による性格占いと五行に関連を見出すことになり、前著でその1つの結論を公表しましたが、その後、多くの実例を見る中、五行と血液型には関連性がありそうではあるのですが、血液型と性格には一義的な関連はないであろうという最終的な結論に達しました。
「血液型と性格には一義的な関連はない」とは、当たる場合がないこともないが、当たらない場合もあるという意味です。
なお、四柱推命では、性格は通変の視点から見、身体的なことや気質は五行で見ることになります。血液や血液型は身体的なことですから、通変ではなく五行に関わらなければならないことになります。しかし、五行は五常の視点を通して気質を知ることができますが、性格そのものを知ることはできません。
したがって、血液型の視点に理があるとするなら、性格そのものではなく、気質の部分に関わることにならなければならないことになります。もしそうでないならば、ABO式の血液型を性格に結びつける考え方は、四柱推命とはまったく相容れないものであることになります。
血液型と五行との関係
ちなみに、ABO式の血液型と五行との関係ですが、A型は金、B型は木、O型は水、AB型は火、という相関性の存在を感じています。その関係は一対一の絶対的な関係ではなく、もう少し緩やかな関連性が存在するようです。A型は金と述べましたが、四柱八字中に金が多くある場合だけではなく、金がまったくない場合にA型になる実例を確認しています。B型は木ですが、同様に四柱八字中に木が多くある場合とまったくない場合に、B型になる実例があります。
ですから、四柱八字中に金が多くある四柱八字の人とまったくない四柱八字の人の気質が同じになることはありませんから、ABO式の血液型による性格占いは当てにならないと断言することができます。
では、なぜ五行と血液型に相関性が存在するのかですが、血液型の相違には気質を左右する要素が多少は存在するものの、血液型とは別のところにも気質を左右する因子があるため、血液型と性格には一義的な関連はない、ということになるのではないかと考えられます。
つまり、血液型のみを元にして統計をとっても、性格とは無関係という結論がでるのは当然なのです。では、性格を左右するほかの因子は何なのかですが、おそらく脳の機能や構造ではないかと推察しています。
詳しくは、『サクサクわかる 四柱推命の本』を参照してください。
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<大正7>~2037年<平成49>
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