以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、あえて、こうした形で情報を発信することにしました。
「通変の調和」という考えに至った過程
700年ほど前の四柱推命の名著『滴天髄』には、事象の良し悪しを知るためには、まず格局を定め、日干の強弱を明らかにし、五行が調和するには、どのような運歳に巡ることが必要であるかを明確にすることが必須であるといわれています。そして、五行が調和するなら、その人は、健康であり、経済的にも恵まれ、社会的な地位も高くなり、あらゆる「幸」を享受することができると考えられていました。
つまり、少なくとも約700年の間、そして1000年を超えるかも知れない四柱推命の歴史において、「五行の調和」こそが命運の良し悪しを判断するための唯一の視点とされてきたのです。
この考え方は絶対的に正しいと信じていたのですが、1990年頃から例外があることに気づき始めました。その例外は芸能人によく見られるのです。毎年億単位の収入があっても健康面に問題がある実例。また、人気の絶頂の中で突然亡くなる実例。こうした事象のあり方は、古来よりの「五行の調和」の概念では、まったく説明のしようがないのです。
インターネットのおかげで、社会の第一線で活躍しているさまざまな分野の方々の正確な出生時間を入手できるようになり、それに連れ、この疑問は年々膨らむ一方で、「五行の調和の視点には何か解決すべき錯誤があるのではないか」と考え始めていました。この問題の解決策を求めて、かなり前から試行錯誤を繰り返していたのです。
「通変の調和」の発見の糸口
この解決の方法に気づくきっかけは、ごく身近なところにありました。2008年に出刊した自身の著書を改めて見直してみたところ、
◇五行は、先天的な事象や健康面を見る視点
◇通変は、対人・対社会的な事象を見る視点
と宣言しているではないですか。つまり、「五行の調和」は、健康面のみを見る視点であると自著で言っているのです。それにも関わらず、自著では「五行の調和」により、対人・対社会的な事象を論じているのは明らかな自己矛盾であることに、2010年の9月にやっと気がついたのです。
「五行の調和」の視点は、あくまで先天的な事象や健康面の良し悪しを見る視点でしかなく、経済的な問題や社会的な地位は通変を通して見なければならないのです。
このことが「五行の調和」とは別に、「通変の調和」という新たな概念を構築するきっかけになったのです。
「五行の調和」
「通変の調和」
この2つの視点が揃うことにより、今まで不明であった事象も、論理的に一貫した形で論じることができるようになりました。しかも、理論的にも美しいとも思います。
、今まで不明であった事象も、論理的に一貫した形で論じることができるようになりました。
詳しくは、『サクサクわかる 四柱推命の本』を参照してください。
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<大正7>~2037年<平成49>
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