視点29 八字や格局に「真」「仮」、あるいは「貴」「賎」の相違がある???
ご存じのように、四柱推命が発展してきた時代の社会体制が封建主義であったため、四柱推命の論議の中にもその影響が色濃く残っています。四柱推命において名著といわれることが多い、『滴天髄』や『子平眞詮評註』なども、その例外ではないのです。
日本で言えば、「武士の子は武士」「農民の子は農民」といったような、乗り越えることができない階級のようなものが中国にも存在し、四柱推命の著作も、それぞれの時代の体制との整合性を保つように,,、著わされているのです。
主題に取り上げた「真」「仮」、あるいは「貴」「賎」なども、こうした時代背景に束縛されたなかで考え出された概念なのです。
ですから、
今の日本において、「あなたの四柱八字は真です」「あなたの四柱八字は仮です」と断定することは、何も意味をなさないどころか、一種の差別用語としかならないのです。「真」の八字の人と、「仮」の八字の人にどういった具体的な違いがあるというのでしょうか。
古来よりの論には学ぶべき点は多くありますが、「真」「仮」、あるいは「貴」「賎」などといった、現代では通用しない概念に固執するのは、誤りを招くだけと言えます。
古典は重要ですが、過去の遺物となってしまっている概念に執着して、そこから脱却できないような、自称推命の専門家とは関わらないほうが賢明ではないでしょうか? |