日本には格局にさえまったく触れない、エセ四柱推命があふれていますが、そうしたものはさておき、古来より四柱推命において重要な一分野として延々と論じられてきた格局の論も、その役目を終えているのです。
格局とは、四柱八字をその特性により分類して、最終的に事象に結びつけるための方法です。事象とは、四柱推命で知ることができる具体的な事柄の意味です。
大きく分類すると、普通格局と特別格局があります。これを内格、外格といっている方もいます。
普通格局には、
食神格、傷官格
偏財格、正財格
偏官格(「七殺格」ともいう)、正官格
偏印格(「倒食格」「梟神格(Kyoujinkaku)」ともいう)、印綬格
以上八格があります。
特別格局には、
従旺格
一行得気格(「曲直格」「炎上格」「稼穡格(kashokukaku)」「従革格」「潤下格」)
従児格(「従食傷格」ともいう)
従財格
従殺格(「従官殺格」ともいう)
従勢格
化格(「化気格」ともいう。「化木格」「化火格」「化土格」「化金格」「化水格」がある)
両神成象格(RyoujinSeisyouKaku)
建禄格(以下3格は、普通格局とほぼ同じ)
陽刃格(YoujinKaku)
月劫格(GetugouKaku)
等々があります。最後の4格をのぞいて、特別格局には「真」と「仮」があるといっている書もありますが、実証的に妥当性はありません。ちなみに「真」とは格局の成立条件をすべてみたすものです。「仮」とは、一部条件を満たさない点があるものです。
また、これらのほか、財官双美格、天元一気格、井欄叉格(Seiransakaku)など、奇格・変格といわれる格局が100以上ありますが、これらは体系的にまとめられたものではなく、同じ干がたくさんあるとか、同じ支がたくさんあるとかといった、見かけをとりあげた安易なものばかりです。
格局の分類中、理があると思われるものは上に記した27格で、多少の異同はありますが、四柱推命の名著といわれている『滴天髓』『子平眞詮』に体系的に論じられ、現在に伝えられています。
ですから、中国の信頼できると思われる古書をもとに四柱推命を学ぶためには、これらの格局それぞれに定められている成立条件を理解する必要があるため、最低でも半年、場合によっては、1年、2年と格局だけのために時間を費やす必要があるのです。
さて、さんざん時間をかけて学んだ格局を、それぞれの格局の成立条件に忠実に従って実際の四柱八字に適用して分類しても、事象が合わないものがかなりの割合であるのです。特に特別格局(外格)に多くあります。専門家と自称している方々は、おそらくこの問題に気がついているはずです。しかしこの問題を口にすると立場がなくなるので、触れないようにしているのではないかと思います。
格局の論としていろいろ理屈をこねたあげく事象が合わないのでは、運命学として致命的なことになります。この致命的な問題を解決できないかと模索し、最終的にたどり着いたのが、私独自の「旺の逆転」という考え方です。
当初、「旺の逆転」という方法は、特に問題が多い特別格局を理解するために考えたのですが、「旺の逆転」という考え方がほぼ完成したときに、普通格局にも適用できることが判明したため、結果的に、「旺の逆転」という方法を採り入れれば、格局は一切不要となったのです。
ネット、そして講義を通して、千数百の実例に接する機会を得、当初の「旺の逆転」の考え方は3回ほどの改訂を経て、現在ほぼ完成の域に達しているのではないかと考えています(「旺の逆転」の詳細は拙著「四柱推命学入門」を参照してください)。
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