以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と最新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、あえて、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、こうした形で情報を発信することにしました。
宮崎美子さんのインタビューによる、知の巨人・渡部昇一氏のtube(DHCテレビ)の番組を見続けていたのですが、2017年4月17日に渡部氏が亡くなられました。ご冥福をお祈りいたします。
さて、この番組の中で三島由紀夫を採り上げていて、興味深い切り口から、三島由紀夫氏を渡部氏が解説しています。
一方、三島由紀夫氏に関しては、自身の推命の師匠が「本人に聞いた」と言っていた、出生時間が手元にあるのですが、事象に関して納得が行かないところがあるので、ずいぶん前から、意識的に採り上げないようにしていました。しかし、動画をキッカケに、再考してみることにしました。
生年月日/1925年1月14日23時頃 性別/男 年齢/92歳
大運交替/約7歳0カ月10日 交替年月/辛年丑月
甲 子(癸) 甲(己)
丁 丑(癸) 丁(己)
戊 戌(戊) 戊(戊)
癸 亥(壬) 癸(壬)
大運 丁丑(癸)(己) 彼方にある年干支
7 戊寅(甲) 乙丑(癸)
17 己卯(甲)(乙)
27 庚辰(乙)(戊)
37 辛巳(丙)
47 壬午(丙)
日干は戊土で、丑月水旺の生まれ。「旺の逆転」により、土旺になります。
日干戊土は旺令で、月干に陰干といえども印の丁火があり、日支蔵干は戊土であることから、日干は強と見ます。
日干は強ですから、古来よりの喜忌吉凶から言えば、37歳からの辛巳の大運は凶になります。
問題は「通変の調和」です。日干に隣接する干は、印の丁火と財の壬癸水。ですから、大運に、食傷の庚辛金と官殺の甲乙木が巡れば、「通変の調和」が成立することになります。
上にある大運の太字の部分が「通変の調和」が成立している年齢期になります(大運の比劫がらみの「通変の調和」については、最新刊を参照してください)。
日干に隣接するのは印と財。拙著で述べていますように、これは育ちがいいことを示していて、実際の事象に合致します。しかし、食傷が日干に隣接していないことが、当時人気作家であった三島氏の事象に合わないのではないかと考えていたのです。
「通変の調和」の視点から見れば、三島氏の活動期がほぼ一致するのです。詳しく看ますと、27歳庚辰(乙)の大運が終わる31歳までが三島氏の全盛期となります。年代で言いますと、1956年(昭和31)までとなります。
では、この四柱八字の持ち主が天才といわれるような人物であると断定できるかと言いますと、それは現段階では難しいと言えます。
※上記の説明には、本書独自の蔵干の考え方と、格局に代わる」「旺の逆転」という視点が含まれています。詳しくは、基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』を参照してください。
2017・8・27
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