以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と最新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、あえて、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、こうした形で情報を発信することにしました。
精神的なストレスが原因となり、さまざまなマイナス面を伴う現象が起きます。さて、推命ではストレスはどのようにとらえるべきでしょう。
ストレスは対社会的な事象ですから、食傷、財、官殺、印といった通変がその視点になります。比劫には事象はないと考えていますから、比劫はここでは除外されます。
食傷、財、官殺、印に、起因するストレスにつながる作用を考えてみます。いずれも太過したり、不及したりした場合のことになります。
食傷の太過/不及:焦燥感、あせり
財の太過/不及:思い通りに事が運ばない不満と不快感
官殺の太過/不及:精神的な圧迫、強迫観念、いわゆるストレス
印の太過/不及:生理的不快感
以上のような通変の作用が、ストレスを生み出す原因になっているのではないかと考えられます。
ところが、「通変の調和」が実現しますと、多忙の極みのような状況に身を置くことになっても、やりがいを感じたり、充実感を感じたりします。つまり、通変の作用が逆転するのです。
その逆転した作用をまとめますと、次にようになるでしょう。
食傷:やるべきことが次々に思い浮かぶ
財:乗り越えるべき壁が明らかになり、元気が出る
官殺:責任感、他からの期待感に応えようと意欲がわく
印:より心地よい方法や手段を模索する
なぜ、「通変の調和」が実現しますと、その作用が逆転するかは不明のままですが、現実の事象はこのように逆転しているのです。
なお、補足事項ですが、印と食傷の「通変の調和」について、拙著等に説明が抜けている部分があります。古書などでは、食傷が才能発揮の源泉であるといわれてきて、私もそれを受け入れていたのですが、よくよく考えますと、知識・技術・経験の裏付けがあってこその才能発揮ではないかという、思いもありました。
知識・技術・経験は、おもに通変の印の作用です。印と食傷の「通変の調和」には、知識・技術・経験を役に立つものとして、食傷の作用により具現化する意味合いもあるのです。
食傷のみが才能発揮の源泉と考えるのは、誤りなのです。
※上記の説明には、本書独自の蔵干の考え方と、格局に代わる」「旺の逆転」という視点が含まれています。詳しくは、基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』を参照してください。
2015・6・22
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