以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と最新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、あえて、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、こうした形で情報を発信することにしました。
「五行の調和」は、古来より伝承されている四柱推命において、絶対的な視点であり、四柱八字と大運において五行が調和するなら、あらゆる「幸」を手に入れることができるとされてきました。
ところが、ネットの時代になり、さまざまな分野の人物の正確な四柱八字が入手可能となり、こうした「五行の調和」に付随した伝承に疑問符がつけられることになったのです。疑問符をつけたのは、この私ですが。
さて、このコラム「Vol.98 囚人は「五行の調和」している可能性が濃厚」で取り上げましたように、刑務所で規則正しく生活し、徹底的な栄養管理が行なわれた生活をしている囚人は、理想的とも言える「五行の調和」そのものではないかと述べました。
犯罪を犯し、刑務所に長期にわたって収監された後、その人自身の命運が「五行の調和」するなら、ずいぶん居心地のいいことでしょう。結果、長寿も期待できることになります。
しかし、犯罪者のそれぞれの性格上、規則正しい生活が苦痛になる場合もあるでしょう。日干に食傷と財が隣接した行動的な性格の人、あるいは日干に食傷と官殺が隣接した人などです。
よく収監者に拘禁により心身の異常が発生することが言われますが、五行が調和したかのような強制的な収監生活が合わない人における現象ではないかと考えられます。
これこそタイトルにしました「五行調和の刑」なのです。強制的に五行が調和しているような生活を強いられますと、苦痛になる人もいるのです。
※上記の説明には、本書独自の蔵干の考え方と、格局に代わる」「旺の逆転」という視点が含まれています。詳しくは、基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』を参照してください。
2015・6・3
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