以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と最新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、あえて、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、こうした形で情報を発信することにしました。
五常の仁・義・礼・智・信に関しては、基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』に独自の解釈を公表しています。詳しくはそちらを参照してください。
今回は、火の「礼」に関して、同書では説明し切れていない面を補足しておきます。
火の「礼」の根源的な作用について、演繹的思考と結論づけました。「演繹(Eneki)」と言いましても論理学の用語ですから、ご存じない方も多いとは思いますが、誤解を承知の上でくだいた言い方をするなら、「応用力」です。
数学や物理を学校で学び、定理、定義、法則を身につけ、それらを実際の現象を理解するために応用するのが火の作用なのです。学生なら、数学や物理のテストの問題を解くための能力につながることになります。
ですから、四柱八字中に火がありますと、理系的な思考ができることになります。
また一方で、定理、定義、法則ではなく、宗教の教義を基準にして思考する場合にも、火の作用が働きます。ですから、火の「礼」は、科学的な思考を支えると同時に宗教的な思考をも支えることになるのです。
日本人の場合、特定の宗教にのめり込む人は少数派ですが、宗教に近いものと言える、占い、運命学などの疑似科学的なものに心を奪われるのも、火の「礼」の作用なのです。
そもそも家庭や学校で身につけた社会生活上の決まりが「礼」なのですから、その決まりを社会生活の現場で活用する、応用するのが「礼」の発現とするなら、古来より火は「礼」であると伝承されてきたことは、それなりの意味があり、誤りではないと言えるのです。
その火の「礼」の作用を突き詰めて考えますと、演繹的思考ということになるのです。
しかし、この火の「礼」の作用は、ほかの五行の金とか水の作用を受けることにより、その状態は大きく変化することになります。
※上記の説明には、本書独自の蔵干の考え方と、格局に代わる」「旺の逆転」という視点が含まれています。詳しくは、基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』を参照してください。
2015・5・5
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