以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と最新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、あえて、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、こうした形で情報を発信することにしました。
物理学にはエントロピーという概念があります。エントロピーは増大する一方の非可逆的な現象であることがわかっています。
例えば、水に塩を入れますと、時間が経つにつれ、塩分は水に拡散し均一化され、いわゆる塩水になりますが、これが逆に、水と塩が分離するような方向に現象が進むことはないのです。これを「エントロピーが増大する一方」と言っているのです。
はるか昔、高校生の頃、講談社からブルーバックスという科学啓蒙書が出版されました。その中に「マックスウェルの悪魔」という本があり、このエントロピーの話を、かなり興味深く読んだ記憶があります。なお、この書は今も入手可能です。
さて、マックスウェルの悪魔と四柱推命にどのような関連があるのかですが、察しのいい方はお気づきのように、エントロピーの非可逆的な増大という事実は、「未来は予知できない」という結論になるのです。
つまり、物理学的に未来予知の可能性は全否定されているのです。それでも占いで未来予知は可能であると言うのは勝手ですが、20世紀のアインシュタイン以降の物理学者をすべて敵に回すことになるのです。
では、自身が関わっている四柱推命の立ち位置はどこにあるのでしょうか。
四柱推命の視点は、地球の公転に起因する四季の循環と密接な関連があります。つまり、周期性がある現象を扱っています。一方、エントロピーには周期性の概念は考慮されていず、水に塩を混ぜるような現象限定で、絶対的に正しいとされています。
非可逆的な現象の存在は物理学的な真理で、人もその真理の中で生活し、それから逃れることはできませんが、同時に人は周期性のある活動も伴っています。
この二つの相対する視点の狭間に、四柱推命は存在しているものと、現段階では考えています。
※上記の説明には、本書独自の蔵干の考え方と、格局に代わる」「旺の逆転」という視点が含まれています。詳しくは、基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』を参照してください。
2015・1・7
Since:1998-08-05 /// Last updated:2023-8-2
著作権法に基づき、本サイトの内容を、無断で引用、複製、翻訳、放送、出版、改変、等することを禁じます。