以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と最新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、あえて、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、こうした形で情報を発信することにしました。
タイトルの「幸いや苦難は空から降ってくるものではない」という考え方は、四柱推命に関わった初期の段階から思っていたことです。四柱推命で命運を論じるための情報源は、その人の生年月日時ですから、すべての幸不幸の根本的な原因はその人に起因するとしなければ、論理が破綻するからです。
しかし、「運」とか「運命」という言葉には、どこからか幸福の種や不幸の原因が降ってくるような意味合いがあります。ですから、占いに関わっている人は、自分自身のことは棚に上げ、どこからともなく降りかかってくる不幸を避ける方法はないかと考えることになるようなのです。
つい最近(2014)、どこかの大学の脳科学者と自称する女性科学者?が、幸不幸は空から降ってくるようなことを言っているのをみて驚き、こうしてコラムのテーマとして取り上げることにしました。
四柱八字を構成するのは、五行・十干です。日干を中心として、この五行・十干のバランスを見れば、その人の運命がわかるとするのが、四柱推命の基本的な考えです。
しかし、古来より伝承されてきた、「五行が調和すればすべての幸を手に入れることができる」というのは、どうも誤りであることがわかってきました。「五行の調和」は、その人の健康に関することにしか関連指定なのです。
また一方で、五行・十干の強弱がまったく関わらない看法も存在します。拙著で取り上げている「五常の見方」「通変の調和」がこれに該当します。
これに大運という時間経過により変化する五行の変化が加わり、人生の変遷を読み解こうとするのが四柱推命です。
すべての幸不幸の原因はその人自身の中にあるのです。ですから、日常生活を見直すことにより、変えることができる可能性があるのです。これをどこからともなく空から降ってくるとしてしまいますと、手の打ちようがなく、いわゆる宿命といわれるものになってしまうのです。
最後に付け加えますと、すべての幸不幸の原因がその人自身の中にあっても、それを変えることはかなり大変なため、四柱八字と大運が示す命運を、宿命という変えることができないものにしてしまう大きな要因になってしまうこともあるのです。
※上記の説明には、本書独自の蔵干の考え方と、格局に代わる」「旺の逆転」という視点が含まれています。詳しくは、基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』を参照してください。
2014・10・8
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