以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と最新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、あえて、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、こうした形で情報を発信することにしました。
拙著では、以前から五常に関して新解釈を行なっています。基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』をお読みの方はご理解いただけていることと思います。
五常とは、仁義礼智信の五つであり、いずれも人が護るべき徳とされていましたが、そのすべてに裏と表があると解釈を改め、五常には徳だけではなく、不徳と評価される面も同時に存在するとしました。
この考え方を突き進めていった結果、次のような結論に達しました。
論理性 火 金
情緒性 水 木
(土はいずれにも関わらない)
現実の事象においても、四柱八字に、特に日干に隣接する位置に、火あるいは金が多くある人は、論理的であり、理屈っぽく、逆に、火も金もほとんどなく、水木ばかりの人は情緒性が強いという見方が確立し、ほぼ誤りはないと思っています。
さて、論理性と情緒性と二分類することは、これでこれで大いに役に立ちます。例えば、火あるいは金が多くある人は、論理性が強いため、数学や物理学のような科目が得意で、理系や経済学のような分野への適性があることが、ごく簡単にわかるようになりました。また、水木ばかりの人は、対人業や接客業のような種類の職業への適性があることになります。
では、道徳性のような、高次元の人の精神的営みはどのように考えればいいのでしょうか。これは生育環境などに大きく左右される面がありますので、単純には論じられないことを承知の上でお話ししますが、人への思いやりや慈しみの気持ちは、水あるいは木の良好な作用であることを考慮するなら、道徳の根底には、水と木が存在し、大きな役割を果たしているのではないかと推定できることになります。
そうなると、火あるいは金のつかさどる論理性には、道徳とは対峙する作用があるのではないかと予想されるのです。論理性が道徳を阻害する関係ということです。
さらに考えますと、水あるいは木が良好な作用を発揮するなら、道徳という高次元な精神活動につながりますが、不良な作用を発揮することになりましたなら、その不良な作用を抑制する役目は、火あるいは金にあるということになるのです。
五常の視点からしても、火金、水木が調和することが望ましいということになるのです。
なお、この五常の視点は、五行の強弱はまったく無関係で、四柱八字中に「ある」「ない」というこれ以上はないほど単純な視点ですから、五行・十干を覚え、四柱八字を出すことができるようになるだけで、「この人は理屈っぽい人」「この人は気分で動く人」といった事象を判断することができるようになれます。申し訳ないほど簡単です。
※上記の説明には、本書独自の蔵干の考え方と、格局に代わる」「旺の逆転」という視点が含まれています。詳しくは、基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』を参照してください。
2014・8・12
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