以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と最新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、あえて、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、こうした形で情報を発信することにしました。
四柱推命において最重要な六十干支は、毎年規則正しく巡り、生まれてから60年経ちますと、元の干支に戻ります。これを還暦と言い、愛でる習慣もあります。
六十干支は、十干と十二支の組み合わせですから、10年で十干はひと巡りし、12年で十二支はひと巡りします。ですから、六十干支を根拠として命運を論じる四柱推命は、人生における周期性の存在を認めていることになります。
しかし、六十干支を天干と蔵干の組み合わせに分解して見てみますと、十干が混ぜこぜになっていることに気がつきます。
例えば、今年2014年は甲午年ですが、今後の流年を天干と蔵干とともに表示しますと、
甲(丙)→甲(丁)→乙(丁)→乙(己)→丙(庚)→丁(庚)→丁(辛)
となります。日干が甲乙木としますと、比劫、食傷、財、官殺が、次々巡っていて、規則正しいという表現を使うことがはばかれます(蔵干の考え方は、基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』に準拠)。
確かに、六十干支ですから、60年周期で同じ流年が巡ってきますが、人の寿命は長くなったと言っても80年ほどですから、60年を周期的に巡ると考えることは、控えたほうがいいのではないかと考えはじめています。
また、四柱推命の根底に流れる陰陽五行論は、弁証法的な哲学体系に属しています。弁証法的な考えからするなら、流年に60年ぶりに同じ干支が巡ってきたとしても、60年も隔たりがあれば、五行としての作用は同等であっても、現われる事象あまったく別の結果に結びつくことになります。そもそも大運も異なります。
四柱推命に関わり、干支を見ますと、命運の周期性の存在を無意識のうちに認めることになるのですが、その認識は幻想だったかも知れないと思い始めている、今日この頃なのです。
※上記の説明には、本書独自の蔵干の考え方と、格局に代わる」「旺の逆転」という視点が含まれています。詳しくは、基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』を参照してください。
2014・7・16
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