以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と最新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、あえて、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、こうした形で情報を発信することにしました。
年齢的に個人差はかなりあると思いますが、多くの人に、「自分はいったい何ものなのか」「何のためにこの世に生まれてきたのか」と考えた時期があると思います。大学や高校の卒業が迫り、就職を考える時期になりますと、否応なく、こうしたことを考えざるを得ないのではないかと思います。
キャリアデザインという言葉があり、職業の経歴を計画的に構築して人生をより充実したものにするという考え方があるそうですが、20歳くらいで、確実な方向性をもってそうしたことができる人など、皆無に等しいのではないかと思います。30歳近くになれば、やっとキャリアデザインという概念を受け入れることができる人が出始めるかも知れません。しかしごく少数でしょう。
また、就職に際し、食いっぱぐれのない安定した職種を選択する人、また、逆に、安定よりやりがいを重視する人の、大きく二通りの価値判断の基準があるのではないでしょうか。ほとんどの人は前者でしょうが、大企業に就職しても、20年後、30年後にその大企業が存在するかどうかの保障がない時代になりました。ですから、公務員、メガバンクといった、長い間安定している可能性が高い企業に人気が集まります。
実際、今年の東京大学の就職先の人気企業の上位三位は、すべてメガバンクでした。
たとえ希望の企業に就職しても、健康上の理由で退職、転職を余儀なくされることもあります。こうした、職業だけではなく、健康に関わることすべてについて、時間軸が伴った形で、予測できる方法が四柱推命なのです。上手に活用すれば、確実なキャリアデザインにつながることでしょう。
社会や経済の動向は複雑系なので、原理的に明日の株価さえ予測不能ですから、キャリアデザインなどという概念は成立しないはずです。一方、個人の健康問題は生活習慣の見直しにより、ある程度、改善が可能です。いつごろ、どのような病気になる恐れがあるのかは、大運の作用から知ることができます。ただし、事故についてはなかなか原因を排除することが難しいように思います。
四柱推命を数年学べば、当初は概略的なことだけかも知れませんが、自己分析が可能になります。そして、さらに学べば、自身の死の危険がある時期をも受け入れた形で、人生を俯瞰した、一種の悟りの境地のようなものに近づくことができるのではないかと思います。
なお、「将来のことなど一切知りたくない」「その時、その時全力を尽くすだけで十分」という考えの人もいます。これは人間本来の立派な生き方の一つですので、そのままそれを継続することが望ましいと思います。四柱推命に関わることなく、その人なりの考えを元に人生を歩むという選択肢は重要です。
生きるうえでの強さが欠けていますと、四柱推命などの運命学に頼ることになるとも言えるのですが、おみくじなどの気休めの占いはともかく、四柱推命の場合には、あまりにも現実的な問題を突きつけられることもありますので、心の弱い人は耐えるのが大変かも知れません。
※上記の説明には、本書独自の蔵干の考え方と、格局に代わる」「旺の逆転」という視点が含まれています。詳しくは、基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』を参照してください。
2014・6・30
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