以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と最新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、あえて、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、こうした形で情報を発信することにしました。
『子平眞詮』や『滴天髓』の流れをくむ四柱推命では、すべての四柱八字に格局を定めなくてはならないことになっています。逆に言うなら、街中の書店に並んでいる四柱推命の本で、格局に触れているものは、まともなほうであると言えるのです。
しかしながら、格局に関する論義は膨大ですので、一般書といわれる四柱推命の本で格局に触れることは、紙数からして到底無理なこともあり、格局にも触れることがない四柱推命モドキの本が跋扈しているのが日本の現状です。
では、格局に触れていればまともな本なのか。そうは断言はできません。理由は、そもそも格局の考え方自体にいくつか問題があるからです。その問題の解決のため、20年弱前に格局に代わる「旺の逆転」という方法を提案し始めました。
名著と言われる『子平眞詮』や『滴天髓』に解説されている格局に何が問題があるのかですが、それは「事象が合わない」という致命的なことなのです。
格局には普通格局と特別格局があります。これを内格、外格と言っている人もいます。問題が多く散見されるのは、特別格局のほうです。
特別格局には、一行得気格、従旺格、棄命従格などがありますが、こうした格局の成立条件に該当する四柱八字の本人に会いますと、事象が合わないことを思い知らされるのです。そもそも四柱推命の古典においても、特別格局に関する記述が異常に少ないのです。ほとんど見られないと言ってもいいほどです。
何年もかけて、ひと通り格局の考え方を学び、いざ実践となった時、事象が合わないのでは、それまでの苦心は何だったのだろうかと途方に暮れるのみです。
しかしながら、すべての四柱八字に格局を定めるという先賢の発明は、それなりの成功を収めていると認めています。『滴天髓』にいわれている見方で正しく事象を見ることができる実例も十分あります。ただ問題は、事象が合わない時にその解決法や解決の道筋が用意されていない理論であるため、身動きできなくなることです。
繰り返しますが、古来よりの格局を扱っている四柱推命はまともなほうです。格局には、いまだそれなりの実証性もあります。しかし、考え方が膠着していてそれから先に進めない理論構造であることが欠陥と言えるのです。
私の本では格局に代わる「旺の逆転」という独自の方法を提案していますが、実を言いますと、この方法は古来よりの格局論を下敷きにしています。つまり、格局の考え方は「旺の逆転」という方法の中に今も生きているのです。
古典重視の四柱推命の研究者には、「旺の逆転」という方法は不評なようですが。
※上記の説明には、本書独自の蔵干の考え方と、格局に代わる」「旺の逆転」という視点が含まれています。詳しくは、基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』を参照してください。
2014・7・2
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