以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と最新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、あえて、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、こうした形で情報を発信することにしました。
古来より伝承されている四柱推命における見識については、すべての点において「本当に正しいのか」という気持ちをもって接しています。正しいか正しくないかは、割と簡単に判断することが可能です。実証的に正しいかどうかを確認すればいいのです。
さて、通変の事象に「六親」(Rikushin)があります。六親とは、生まれる前に父、母、兄姉の三があり、生まれた後に、弟妹・配偶・子女の三があるとした考えに基づいていて、四柱推命では、通変を通してこの六親すべてについて事象を知ることができるとされています。
しかし、実際は、父と母については、かなり高い実証性が認められ、兄弟姉妹については、多少はわかることがある程度。そして、配偶と子女については実証性が確認できない、というのが実態です。そもそも配偶者は赤の他人ですから、わかるはずがないのです。
こうしたことは実例で検証すればすぐに知ることができることですから、いまだに六親すべてを四柱推命で論じることができるとしている人は、何を見ているのかと疑問に感じます。
さらには、日干が剋する財を父親とする定義を敷衍して、財が剋する印は、父親の父親、つまり祖父であるといった見方も存在します。まったく実証性はありませんが、この考え方を拡張して、伯父、伯母、従兄弟、など、親戚縁者すべて通変で見ることができる、としているものもあります。まったく無意味です。
通変の父は財、母は印という事象との関連は、ほぼ間違いがなく、実証性があると考えています。しかし、全面的に正しいとして受け入れてはいません。
その理由の一つは、父、母といえども別の個体であるからです。また、父母の影響下にあるのは、通常成人して独り立ちする前までです。成人後は、通変の財は父を示すものではなく、通変の印は母を示すものではないはずです。両親離婚により、父あるいは母と離別し、何も影響を受けないで育つ人もあるわけで、父は財、母は印という通変の事象の見方には、実証性を認めつつも不明な点が多くあり、解決すべき問題が山積していると考えています。
それでも、父は財、母は印という通変の事象は、大変素晴らしい視点であることには変わりありません。
※上記の説明には、本書独自の蔵干の考え方と、格局に代わる」「旺の逆転」という視点が含まれています。詳しくは、基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』を参照してください。
2014・6・28
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