以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と最新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、あえて、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、こうした形で情報を発信することにしました。
独立自営の適性について、既存の四柱推命では四柱八字と大運を統観して「日干が強」であることが必要十分条件のように言われてきましたし、自身も正しいと思っていました。
しかしながら、ネットの時代になり、社会の第一線で活躍している人々の生年月日時を割と簡単に知ることができるようになり、「どうも日干が強であるかどうかは無関係」という認識を持ち始めました。
では、どのような四柱八字や大運であれば自営業に向いているのかという結論にいたるまでに、かなりの年数を費やすことになりました。
なぜ日干が強であることが条件になったかと言いますと、比劫に独立心という事象が割り振られているからなのです。ですから、この独立心という事象自体から疑ってかからなければならないのです。
結論から言いますと、独立自営の適性は、その人の行動特性です。性格と言っても間違いではありません。それを箇条書きにしますと、次のようになります。
◇自身の意に反してまで、人と意見や行動を合わせることを好まない。
つまり、マイペースで協調性に欠けるところがあることになります。そして、こうした性情が現われる人の四柱八字には2つのパターンがあります。
1)日干に印と食傷が隣接する
2)日干に食傷と官殺が隣接する(日干はほぼすべて弱になる)
1)に関しては、食傷がなく印が2以上隣接する場合、印がなく食傷が2以上隣接する場合も含まれます。また、日干に隣接する干は、最大3ですから、1)の場合、官殺が加わり、2)の場合、印が加わりますとこの2つはまったく同じ条件になります。
1)のタイプは、自分の関心がない事以外には関わりたくないという意思が存在します。2)のタイプは、つねに強迫観念があり、いったん始めた仕事は切りが付くまでやらないと気が済まないため、定時に帰宅するサラリーマンのような生活は不向きになります。これらが両タイプの典型的な例となり、大運により変化する要素があります。
さて、独立自営と言いましても、ある程度の社会性が求められます。特に起業したり、会社を経営をするには必須です。そのような人は、財が隣接しているほうが望ましいことになります。
以上述べた独立自営の適性に該当していても、独立自営はそうは簡単に実現するものではありませんから、大学を出て後、しばらく勤め人をし、独立のチャンスを待つ人もいます。そもそも勤め人は向かないのですから、独立は早いに越したことはありません。
ただ、職業によっては、ある程度の年数勤務しますと社内自営業のような立場を獲得することができ、独立の危険を冒すことなく定年まで勤め上げる人も、まれにいます。
改めて説明する必要もないこととは思いますが、独立自営の適性があっても成功するとは限りません。成功するかどうかは大運の巡りに左右されます。
※上記の説明には、本書独自の蔵干の考え方と、格局に代わる」「旺の逆転」という視点が含まれています。詳しくは、基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』を参照してください。
2014・5・11
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