以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と最新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、あえて、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、こうした形で情報を発信することにしました。
五行が調和するとは、大運の作用により、四柱八字中の五行のバランスが整うことを言います。四柱八字中に強くなりすぎたり、弱くなりすぎた五行がない状態です。
四柱推命では古来より、五行が調和したなら、その人は健康であり、経済的にも恵まれ、出世し、時に著名になるといわれてきました。『滴天髓』という四柱推命の名著でさえ、この論を引き継いでいます。この点については「サクサクわかる四柱推命」でその誤りを具体例を挙げながら指摘しました。
では、大運で五行が調和したなら、どのような好ましい具体的な事象が現われるかですが、それは「健康」のみです。社会活動は健康であってこそ成り立つものではあるとも言えないことはありませんが、五行の調和は、経済的な問題には直接的に関わらないのです。あくまで健康のみです。
「健康」と表現していますが、もう少し詳しく言いますと、
「健康を保つために好ましい生活環境の中に身を置く」
という意味です。職業環境からこの問題を考えますと、俸給生活者を例に挙げるなら、残業もノルマもほぼなく、日曜、祝祭日、そして、お盆と正月には確実に休みを取れ、身体を休めるための休息をとれるような状態です。
五行が調和しますと、自由な時間が多く、穏やかな日常を満喫することができるようになります。しかしながら、現代の日本で企業に勤務している場合、穏やかな日常はなかなか実現が難しい面があります。
会社でさんざん頑張ってきた人が、五行が調和する大運に巡りますと、「もう十分頑張ったから、ちょっとゆっくりしよう」という動機が芽生え、退職、転職を考えることになります。人生の転機です。
基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』に取り上げてありますが、ビートルズのジョンレノンと、ポールマッカートニーは、ビートルズ時代、五行が調和していませんでした。そのため、寝る間もないほど多忙な時期を強いられました。
ところが、先にポールマッカートニーが五行が調和する大運に巡り、2年遅れて、ジョンレノンが五行が調和する大運に巡り、ビートルズとしての多忙な生活に終止符が打たれることになったのです。
五行が調和すると、厳しい仕事環境から逃げ出したくなるのです。身の回りの人で、悠々自適に暮らしている人を見てください。みな五行が調和しているはずです。
ただし、五行の調和は大運により変遷しますから、永遠に続くことはないのです。
※上記の説明には、本書独自の蔵干の考え方と、格局に代わる」「旺の逆転」という視点が含まれています。詳しくは、基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』を参照してください。
2014・5・7
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