以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と最新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、あえて、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、こうした形で情報を発信することにしました。
剋洩交加とは、日干に隣接して、食傷と官殺があることを言います。このコラムVol.16で触れましたように、古来より剋洩交加は、望ましくない状態として扱われることが多くあります。しかしながら、現在の日本だけではなく、世界を見渡しても、剋洩交加に該当する四柱八字の人に成功者が多いのです。なぜなのでしょうか。
なお、剋洩交加と言いましても、日干の陰陽と食傷と官殺の陰陽により、事象に大きな差が発生します。そうした詳細な点については、ここでは度外視することにします。
四柱八字が剋洩交加となる人は、そのほとんどが成長期の家庭環境に恵まれないことを実例から確認できます。「恵まれない」とは、経済的問題だけではなく、父母からの恩恵に偏りがあったり、不足する面があったりすることです。誤解を招く恐れを承知で、もう少し具体的に言いますと、幼少期において両親からの愛情に乏しい状態で成長したということとも言えます。
愛情に飢えた環境で成長したため、一種のハングリー精神が芽生え、社会に出てから人一倍働くような行動をとるようです。ですから、剋洩交加となる人に結果的に成功者を多く排出することになるのであろうと理解しています。
実例を挙げますと、故田中角栄元総理、クリントン大統領とその奥さんのヒラリー、ジョン・レノン、などが思い浮かびます。
なお、剋洩交加の人は、ほぼすべて日干は弱となりますが、独立自営業向きになります。大学を出て、すぐに独立自営業になることは難しい面がありますので、いったん企業に就職することになる場合もありますが、いずれ独立をするか、あるいは企業内で自由に仕事ができる環境を獲得するような方向に動くことになります。
もちろん「通変の調和」が成立することが望ましいと言えます。
※上記の説明には、本書独自の蔵干の考え方と、格局に代わる」「旺の逆転」という視点が含まれています。詳しくは、基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』を参照してください。
2014・5・5
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