以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と最新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、あえて、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、こうした形で情報を発信することにしました。
従来の推命で職業の適性を考える場合、日干、十二支、通変などの視点が使われていましたが、基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』に詳しく解説しましたように、今回取り上げる、看護師、介護士の適性を看る場合には、五常の視点が、ある意味最重要となります。
五常とは「仁・義・礼・智・信」のことで、古来より五行に対応して定義されています。しかし、「木は仁」といわれていますが、四柱八字に木があるからといって、その人が「やさしく」「惻隠の情」があるとは限りません。中には真逆の残虐な犯罪を犯すような人物もいるのが事実です。
基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』では五常の新解釈を行ない、このような古来よりの五常におけるいわれていることが実際の事象に適合しない問題を根本的に解決してあります。
また、五常の見方も新たに構築しました。端折って説明します。四柱八字を出し、日干の周りにどのような五行の干があるかを見るだけで、簡単に適性を知ることができます。五行の強弱を論じる必要はありません。「あるか、ないか」「何があるか」だけでわかりますので、極めて簡明な見方であるため、すぐに理解することができます。
五常の事象に及ぼす作用を「情緒性」と「論理性」に分けることができます。
情緒性 水 木
論理性 火 金
上記のようになり、日干の周りに水木が多い人は、情緒性が強く、火金の多い人は、論理的で理屈っぽくなります。土はいずれにも該当しません。ですから、当然、火金が多くあることは、おのずと理系への適性に関わることにもなります。
さて、この五常の事象に及ぼす作用が、看護師、介護士の職業の適性にどのように関わるかですが、火金の論理性を拡大解釈することにより、「割り切ってものを考えることができる」という作用を確認できます。
看護師の場合、大怪我をした人、出血した人の面倒を見ることがありますが、怪我人を見て、いちいち動揺していては仕事になりません。介護士の場合は、ご老人の下の世話をしなければならない場面もあります。
こうした職業の性質を考える場合、火金の「割り切ってものを考えることができる」という作用が重要になるのです。
次は、実際に看護師に携わっている女性の八字です。上の段の方には水はありますが、お二人とも火金が多くあります。
年 壬(丁) 辛(己)
月 壬(丁) 辛(己)
日 丁(庚) 戊(庚)
時 辛(己) 辛(辛)
なお、看護師、介護士は重労働ですので、就労期において、五行が調和しない大運を巡る必要もあります。五行が調和してしまいますと、こうした重労働は避けることになります。このように五常の視点、大運の「五行の調和」の視点を総合することにより、看護師、介護士への適性があることを断定できるのです。
また、余談にはなりますが、殺生をしなければならない調理人も、火金が多くある人に適性があります。
※上記の説明には、本書独自の蔵干の考え方と、格局に代わる」「旺の逆転」という視点が含まれています。詳しくは、基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』を参照してください。
2014・4・6
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