四柱推命で天下国家を論じる唯一の方法

以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と最新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、あえて、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、こうした形で情報を発信することにしました。

世の中は予測不能な複雑系

四柱推命は、一個人の生年月日時のみを情報源にしていますので、四柱八字の中にはその人以外の情報が含まれている道理がありません。

ですから、四柱八字を元にして、天下国家、世の中の動きを論じることは不可能であるのは当然となります。

そのためか、四柱推命がらみの占いでは、その年の干支を根拠にして、「今年はこんな年」と年初に発表する人を見かけます。しかし、世の中の動勢を決定するのは個人の集合です。政治とか経済の分野で力を持っている人たちが中心にはなりますが、一般の人たちも無関係ではありません。

しかし、その年の干支が、社会的に力を持っている人々に、いい作用を及ぼすのか、悪い作用を及ぼすのかは、知る由もない話ですから、年の干支の判断は、どう考えても気休めの域を出ないと考えられます。

そもそも、それぞれ独自の意思をもった多くの人々が行動する状態は、かつて流行した「複雑系」になります。複雑系に該当する場合、いかなる将来も予測不能であるのは科学的に知られていることなのです。複雑系ではわかりにくいかも知れないので、もう少し一般的な言葉で表現するなら、「世の中の動勢はカオス」なのです。

独自の意思をもった多くの人々が行動する状態においては、1分、1秒先のことさえ、確実に予測できるような方法など存在しないのです。

安倍総理の実例

さて、コラムのタイトルに「四柱推命で天下国家を論じる方法」と付けましたが、条件付きで、四柱推命で世の中の動きを少しだけ予測する方法はないことはないのです。

その条件とは、天下国家の動勢に大きな影響力を持つ人物の、生年月日時が明らかであることです。

そこで、日本の総理大臣・安倍晋三氏の四柱八字から、どのような日本の近未来が、どの程度予測できるのか見てみることにします。

  1954年9月21日2時35分 性別/男 年齢/59歳
    大運交替/約5歳11カ月3日 交替年月/庚年申月

   甲 午(丁)    大運
   癸 酉(辛)     36歳 丁丑(癸)
   庚 辰(乙)     40歳 丁丑(己)
   丁 丑(己)     46歳 戊寅(甲)
            56歳 己卯(甲)
            58歳 己卯(乙)
            66歳 庚辰(乙)
            70歳 庚辰(戊)
            76歳 辛巳(丙)
            86歳 壬午(丙)
        ※大運干の太字は「通変の調和」成立

安倍総理のような社会の第一線で活躍している人物を見る場合、「五行の調和」より「通変の調和」のほうが重要な視点になります。「通変の調和」が成立していれば、才能の力を十二分に発揮していると見ることができます。

39歳時に衆議院議員に初当選し、現在に至るまで、延々と大運の干、蔵干において「通変の調和」が成立し、継続しています。これだけ「通変の調和」が継続することはなかなかないことで、このくらいでないと総理まで上り詰めることはできないのでしょう。特に46歳からは、印と食傷の「通変の調和」、財と官殺の「通変の調和」が同時に成立し、安倍総理の持つすべての能力がフルスロットル状態になっています。

58歳時に、大運が己卯(乙)に替わったその年に、自民党総裁になり、衆議院選挙に勝利し、総理大臣になりました。それ以前の戊寅(甲)の大運では、ちょっと蔵干の甲木が強すぎ「五行の調和」が乱れ過ぎたようで、体調を崩してしまいましたが、蔵干が穏やかな陰干の乙木に替わり、体調回復。

今後ですが、少なくとも6年間は好調が続くであろうと予測できます。総理の任期は4年で、すでに1年経過していますから、あともう一期総理を務める可能性があることになります。

もう少し将来を見ますと、70歳庚辰(戊)から五行が調和し始めますから、政界から引退はしないかも知れませんが、閑職に身を置くことになりそうです。

ですから、安倍総理を支持する保守系の人は、今後6、7年間は応援し、「日本を取り戻す」活動を継続しましょう。保守系ではない左翼系などの人々は、6、7年間ほど、反対、断固反対と叫び続けなくてはならないようです。

なお、これはあくまで安倍総理個人の四柱八字からの情報をもとにしていますから、安倍総理についてよく思っていない近隣国から刺客が送り込まれ、暗殺されるようなこともなきにしもあらず。しかし、そうしたことがあるかどうかは、四柱推命の予測の範疇外の事象になります。

※上記の説明には、本書独自の蔵干の考え方と、格局に代わる」「旺の逆転」という視点が含まれています。詳しくは、基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』を参照してください。

2014・6・24

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