以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と最新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、あえて、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、こうした形で情報を発信することにしました。
『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』が既存の推命と決定的に異なるのは、「五行の調和」に対する評価です。既存の推命では、五行が調和さえすれば、その人は健康であり、お金持ちになり、時に有名になるといわれていました。
しかし、これは実証的にまったく誤っているのです。この点については、この「四柱推命コラム」Vol.6でも触れましたので、そちらを参照してください。
「五行の調和」で知ることができるのは、「健康的な生活を送ることができるかどうか」だけです。ここでいう「健康的な生活」とは、規則正しい生活を維持可能で、身体的な負担が少ない環境に身を置き、病気から縁遠い状態を保つことができるという意味です。つまり、健康であり続けるための必要条件が整っているという意味でしかありません。
さて、誰もが定年を過ぎたくらいの年齢期、すなわち老後は穏やかに暮らすことができることを願っていることと思います。そして、老後に備え、若い頃から人生設計をしている方も多いことでしょう。
青年期、働き盛り、老後と、人生を三段階に分けて考えてみます。この三段階の時期と「五行の調和」がどのように関われば、理想的な人生と言えるでしょうか。ただし、ここで述べる価値判断は、人により千差万別でしょうし、職業によって大きく異なる点がありますから、とりあえず、ごく一般的なサラリーマンや会社経営者を対象に考えてみることにします。
老後を穏やかに過ごすことができるための必要条件は、晩年に五行が調和する大運に巡ることです。晩年に五行が調和する大運を巡れば、おのずと長寿になります。
しかし、経済的に困窮した状態で長生きするのはかえって困ったものです。老後に至る前にそれなりの安定した収入を得ることができる環境が必要になります。
さて、学校で習った定理や定義を、実際の場面に応用してみたところ不都合が生じた場合、帰納的思考によりフィードバックして、絶対正しいとされていた定理や定義を見直すという循環が行なわれることになるのです。
ですから、「理念、思想」のところに「宗教の教義」が入りこみますと、「宗教の教義」は絶対ですから、それを見直すことなどあり得ないことですので、四柱八字に火の作用と金の作用が揃っている人は、宗教といった存在に関わりをもたないことにもなるのです。
ここで大きく二通りの人生のあり方を提示することにします。無理を承知でかなり単純化した話ですので、誤解のないようにお願いします。
いわゆる働き盛りに五行が調和するかしないかが重要な視点になります。五行が調和するなら、残業もノルマも少なく、おおよそ定時には帰宅できるような職業に就いていたであろう(就くであろう)と想像できますから、稼いだカネを、老後の備えになるように活用ができたかどうかが問題になります。
逆に働き盛りに五行が調和しない場合、肉体労働に近い職業環境に身を置くことになります。寝る時間も削って働くことになり、40歳、50歳を過ぎた頃には持病があるかもしれません。この場合、その大運期に「通変の調和」が成立するかどうかが決定的な違いをもたらすことになります。
「通変の調和」が成立するなら、身を削って働いたことが大きな経済的な成果に結びつき、とりあえず老後の経済的な問題は発生しにくくなります。
ですから、働き盛りといわれる時期は、五行が調和せず、晩年五行が調和するのが理想と言える大運の巡りと言えます。つまり、若いうちに働くだけ働いて、晩年は悠々自適という人生がかなうことになるのです。
なお、以上はおもに男性を対象とした論義ですが、女性の場合においても、職業ではない切り口から事象を推察することになりますが、健康面については男女共通です。
※上記の説明には、本書独自の蔵干の考え方と、格局に代わる」「旺の逆転」という視点が含まれています。詳しくは、基礎から最高峰を目指す『四柱推命の本』を参照してください。
2014・4・17
Since:1998-08-05 /// Last updated:2023-8-2
著作権法に基づき、本サイトの内容を、無断で引用、複製、翻訳、放送、出版、改変、等することを禁じます。